講演情報

[2L4-GS-5c-05]LLMエージェントを用いたファッションECサイト購買シミュレーショントレンドの観測と要因分析を可能にするモデルの提案

〇柴田 悠生1、清水 良太郎2、山下 遥1 (1. 上智大学、2. ZOZO 研究所)

キーワード:

マルチエージェントシミュレーション、LLMエージェント、推薦システム、購買シミュレーション、ファッションEC

本研究では,LLMベースの仮想顧客エージェントを用いたマルチエージェントシミュレーションにより,推薦システムがファッションECサイトでトレンドを創発するかを検証し,その要因構造を分析することを目的とする.推薦システムはユーザーの過去の行動に基づいて類似コンテンツを提示し,ユーザーは嗜好に合致する情報を好んで消費する.この相互作用によりユーザの視野が特定の情報空間に閉じ込められるフィルターバブル現象が知られているが,その本質である「ユーザの興味を特定方向に集中させる力」は,市場のトレンド形成と構造的に関連している可能性がある.しかし,現実の市場では多数の外部要因が関与するため,推薦システム単体の影響を検証することは困難である.そこで本研究では,価格・ブランド等の多面的判断を伴う購買行動を対象とし,推薦に依存しない探索モードの導入,エージェントの属性と購買理由の対応分析を可能にするシミュレーションモデルを提案する.なお,実データを用いた実験の結果,推薦システムが介在する条件下でのみ特定商品への購買集中が創発すること,また消費者属性に応じて購買理由の分布が体系的に変化することが確認された.