講演情報

[2L5-GS-5a-02]性格特性の人工的操作がLLMの協力行動に与える影響

〇一ノ瀬 元喜1、酒井 瑞樹1、舘石 和香葉2 (1. 静岡大学工学部数理システム工学科、2. 北海道武蔵女子大学経営学部)

キーワード:

大規模言語モデル、性格操作、協力行動、繰り返し囚人のジレンマゲーム

大規模言語モデル(LLM)は,社会的相互作用における自律エージェントとしてますます利用されている.近年の研究では,LLM に性格特性を付与することがその行動に影響を与えることを示唆しているが,LLMの性格を明らかにした上で,さらに性格を操作することが協力行動にどのような影響を及ぼすかは明らかではない.そこで本研究では,繰り返し囚人のジレンマゲームを用いて,LLM エージェントにおける協力行動に対する性格操作の効果を検討する.ビッグファイブ理論に基づき,まず GPT-3.5-turbo,GPT-4o,GPT-5 の3つのモデルについて,Big Five Inventory を用いて基本的な性格を測定し,さらに各性格特性を独立に極端な値へ操作した場合の影響を分析する.シミュレーションの結果,協調性がすべてのモデルにおいて協力を促進する支配的要因であり,他の性格特性の影響は限定的であることが示された.明示的に性格を与えること協力水準を高める一方で,特に古い世代のモデルにおいては,搾取に対する脆弱性を増大させる可能性があることが分かった.これに対し,新しい世代のモデルはより選択的な協力行動を示した.