講演情報
[2L5-GS-5a-05]不完全情報下の直接互恵性に対する観測構造の役割
〇川下 嵩人1、谷川 颯希1、岩﨑 敦1 (1. 電気通信大学大学院)
キーワード:
進化ゲーム、繰り返しゲーム、取り違え、見間違え
本研究は、プレイヤが行動を取り違える環境と見間違える環境の間で、協力の維持や振る舞いの変化を進化ゲーム理論的に吟味した。直接互恵性とは、どのように相互協力を維持するかを考える枠組みである。しかし、直接互恵性について、行動の取り違えに関しては広範な分析があるが、見間違えに関しては十分な分析は行われていない。そこで、従来よく用いられる1期記憶戦略に着目し、取り違えと見間違えでその戦略空間がどのように変わるかを議論し、突然変異付きレプリケータダイナミクスの帰結において、どのような直接互恵性が構築されるかを分析した。その結果、利得と損失が小さいとき、両環境で勝ち残り負け逃げ戦略(Win-Stay, Lose-Shift, WSLS)が生き残ることが示された。一方、利得と損失が大きいとき、両環境ともにトリガー戦略(Grim Trigger, GRIM)が支配した。取り違えでは、GRIMはしっぺ返し戦略(Tit-for-Tat, TFT)と同様に、互いに行動を取り違えれば相互協力を回復でき、見間違えでは、常に協力する戦略(ALLC)の存在によって、相手の行動がわからずとも相互協力が回復することがわかった。
