講演情報
[2N6-GS-2x-02]創造的生成モデル「常識の逸脱」を学習する:Counter-Intuitive Chain of Thoughtを用いた創造的生成モデル
〇新納 大輔1、阿部 由吾2 (1. 株式会社電通、2. 東京大学AIセンター)
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キーワード:
ファインチューニング、常識の逸脱、知識モデリング
大規模言語モデル(LLM)は確率的な次トークン予測により高い流暢性を持つが、尤度最大化の学習目的ゆえに統計的に頻出する「平均的な解」に収束しやすい。これは広告制作や企画立案など、既存の文脈からの逸脱や飛躍が求められる創造的タスクにおいて制約となる。本研究では、優れたクリエイターの「非自明な思考プロセス」をモデル化するSupervised Fine-Tuning手法「Counter-Intuitive Chain of Thought (CI-CoT)」を提案する。本手法は、常識的な推論経路を明示的に否定し、逆説・誇張・結合といった修辞的思考を強制することで、論理的整合性を保ちつつ飛躍したアイデアを生成する。日本のユニークな広告事例を用いた評価実験の結果、提案モデルはベースラインと比較して、文脈を維持しつつ極めて新規性の高いアイデアを生成する能力を示した。本稿では、LLMの創造性がランダムネスではなく、意図的な「常識の破壊プロセス」の学習によって獲得可能であることを論じる。
