講演情報

[2Yin-A-07]企業活動レポートの任意開示は非線形か?

〇中井 雄一郎1、吉田 光男1 (1. 筑波大学)

キーワード:

任意開示、線形モデル、閾値

本稿は、任意開示研究で前提とされてきた平均的な正の関連に代えて、説明変数の水準に応じて任意開示確率がどの
ような「反応の形(functional form)」を示すかを検証する。2009–2024 年の日本上場企業5,085 社・225,738 企業四半
期のパネルを用い、企業活動レポートの発行を任意開示として測定した。規模・経験・監視の3 領域でデシル別確率曲
線を描写し、形状を分類した結果、規模と監視では段差や飽和を伴うスイッチ型・混合型が、経験では漸増型が中心で
あった。平均効果では捉えにくいインセンティブの作用時点や構造を可視化し、理論理解と実務的な報告戦略の両面に
示唆を与える。本アプローチは、二値的意思決定が連続変数に対して示す反応構造を非パラメトリックに診断する枠組
みとして、意思決定過程の形状理解に関心を持つ人工知能・機械学習研究にも応用可能である。