講演情報
[2Yin-A-20]SOPとコンテキスト知識の統合によるLLMエージェント向け業務自動化の保守性向上
〇河津 宏美1、中山 光浩1、曽田 俊明2、山口 武彦1、立堀 道昭1 (1. 日本アイ・ビー・エム株式会社、2. 日本アイ・ビー・エムシステムズ・エンジニアリング株式会社)
キーワード:
標準業務手順書(SOP)、コンテキスト知識(暗黙知)、大規模言語モデルエージェント
標準業務手順書(Standard Operating Procedures; SOP)は,再現性と品質保証を担保する業務設計手法として広く用いられている.近年,大規模言語モデル(LLM)を用いたエージェントが,SOP に基づきワークフローを自動化する実行可能なスキルを生成する試みが進んでいる.しかし,SOP は可読性や保守性の観点から簡潔に記述される必要があるため,自動化に必要なドメイン固有の暗黙知や実装上の詳細(コンテキスト知識)が欠落しがちであり,人手による補完が繰り返し発生するという課題がある.本研究では,SOP とコンテキスト知識(Contextual Knowledge; CK)を分離管理する枠組みを提案する.SOP には業務の本質的構造を,CK には環境依存の知識や実装詳細を集約することで,変更への柔軟な適応と保守性向上を実現する.経費承認,人材採用,コピー編集の 3 つの業務フローを対象とした評価の結果,CK は冗長性なく実装知識を網羅でき,SOP 文書は機能的同等性を保ったまま 75~84% のサイズ削減を達成した.以上より,本手法は LLM ベース業務自動化における SOP の保守性向上に有効であることが示された.
