講演情報
[2Yin-A-28]説明可能な統計的異常検知手法による音響信号を用いたサブクール沸騰検知
〇佐藤 諒太朗1、植木 祥高1 (1. 東京理科大学)
キーワード:
異常検知、MT法、マハラノビス距離、音響検出、沸騰
2050年のカーボンニュートラル実現に向け、次世代革新炉であるナトリウム冷却高速炉(SFR)の開発が進められている。SFRにおいては、炉心流路閉塞に伴う冷却材沸騰を早期に検知し、炉心溶融を未然に防止することが安全確保上の重要課題である。近年、深層学習モデルを用いた音響識別による沸騰検知手法が提案されている一方で、原子力システムのように高い信頼性が要求される分野では、判断根拠が不透明なブラックボックスモデルの適用に課題が残されている。本研究では、判断根拠の解釈が可能な統計的異常検知手法であるマハラノビス・タグチ(MT)法に着目し、音響信号に基づくサブクール沸騰検知の基本的成立性を検討した。検証の結果、MT法により沸騰発生の識別が可能であることを確認した。また、特徴量ごとのマハラノビス距離への寄与度を算出することで、識別に重要な周波数帯域を特定し、判断根拠の可視化を実現した。さらに、ホワイトガウスノイズ、ピンクノイズ、ブラウンノイズを付加した条件下でノイズ耐性評価を行い、MT法が高い識別性能とロバスト性を有することを示した。本研究により原子力システムにおける安全性向上への貢献が期待される。
