講演情報
[2Yin-B-22]LLMペルソナエージェントにおける内的発話の導入と社会的調整能力の検証
〇高田 亮介1、岡山 桃果2、和泉 潔1 (1. 東京大学、2. 大日本印刷株式会社)
キーワード:
ペルソナエージェント、大規模言語モデル、内的発話
人間と現在のLLMエージェントの相違点の一つとして,発話直前の「内的発話(Inner Speech)」による内省や社会的調整プロセスの有無が挙げられる.Generative Agentsに代表される既存のモデルは,知覚から行動生成へのプロセスが比較的直接的であり,人間社会に見られる「本音と建前の使い分け」や「葛藤による発話の抑制」といった複雑な心理機序の表現には課題が残る.そこで本研究では,エージェントの意思決定アーキテクチャに,行動出力とは独立した内部思考ループとして内的発話を導入する手法を提案する.本モデルは,外部環境からの入力を受けた際,即座に応答するのではなく,自身のペルソナに基づいた内省を行い,その思考結果をコンテキストとして最終的な社会的発話を出力する.実験では,意見対立や利害調整が必要な社会的相互作用のシナリオにおいて,内的発話機能の有無がエージェント間の合意形成プロセスや,ペルソナの多面性(内面と外面の乖離)の表現にどのような影響を与えるかを検証した.これにより,論理的な最適解だけでなく,社会的に受容可能な振る舞いを創発するエージェントの実現を目指す.
