講演情報

[2Yin-B-41]エネルギー代謝制約に基づく多重時間スケールホメオスタシス自己組織化SNNにおける安定した自発発火の自動獲得メカニズム

〇片山 淳1、村崎 和彦1、谷田 隆一1 (1. NTT株式会社)

キーワード:

スパイキングニューラルネットワーク、恒常性、エネルギー制約、自動調整

スパイキングニューラルネットワーク(SNN)におけるホメオスタシスは、ネットワークの安定性と情報処理効率を両立させるための仕組みである。本研究では、パラメータ調整の省力化を目的とし、生物学的な知見に基づいたアプローチを導入する。生物の神経活動がATP等の代謝エネルギーの有限性に物理的に制約されている点に着目し、この「エネルギー有限性」をコスト関数として定義する。各ニューロンが自身の発火に伴うエネルギー消費を監視し、あらかじめ設定したエネルギー予算に基づき、スパイク頻度順応(SFA)、内在的可塑性(IP)、シナプススケーリング(SS)といった時間スケールの異なるホメオスタシスの強度を動的に制御する。これにより、ネットワーク規模に依存せず、単位ネットワークあたりのエネルギー収支からパラメータを自動的に導出する手法を提案する。この仕組みは、SFAによる冗長なエネルギー消費の抑制、IPによる情報伝達効率の最大化、SSによる長期的な代謝安定化を統合し、生体脳のような低い電力消費での高度な計算を実現するための堅牢なネットワーク基盤を提供する。