講演情報
[2Yin-B-52]相互作用強度の制御に基づく分散型 LLM マルチエージェントシステムの集団挙動解析に関する検討
〇佐藤 太陽1、前田 圭介1、斉藤 直輝1、小川 貴弘1、長谷山 美紀1 (1. 北海道大学)
キーワード:
大規模言語モデル、マルチエージェントシステム、分散協調、合意形成
本論文では,数値合意タスクを通じて,分散型 LLM マルチエージェントシステム (LLM-MAS) における集団挙動を解析する.分散型 LLM エージェントは中央集権的な制御なしに整合的な振る舞いを示し得るが,相互作用強度が挙動に与える影響は十分に解明されていない.そこで,トーラス状格子上のエージェントが局所的な比較のみを用いて整数状態を更新する最小限のフレームワークを導入する.相互作用強度は,局所的な観測に対する受容度を調整する単一のパラメータによって制御される.このパラメータを変化させることで,非単調な遷移が観測された.すなわち,相互作用が弱い場合は停滞を招き,強い場合は不安定化を引き起こし,中程度の場合はばらつきが減少し合意に向かう.このパターンは様々なLLMにおいて現れ,相互作用のステップ数や格子サイズを変更しても頑健である.一部の設定では,明示的な受容度の導入が,制御なしのベースラインよりも性能を向上させた.これらの結果は,相互作用強度が分散型 LLM-MAS における集団挙動の形成において中心的な役割を果たすことを実証し,このパラメータを系統的に検討する重要性を強調している.
