講演情報
[2Yin-B-56]海馬CA3野のシータ-ガンマ結合に着想を得たSNNモデルの時系列処理能力
〇佐藤 諒平1、米倉 将吾1、國吉 康夫1,2 (1. 東京大学 、2. 次世代知能科学研究センター)
キーワード:
脳型情報処理、SNN、時系列処理、海馬、ニューロモルフィックコンピューティング
スパイキングニューラルネットワーク(SNN)によるリザバー計算は、脳の計算効率を模倣する手法として期待されるが、実環境の時系列データに対するロバスト性の確保が課題である。本研究では、海馬CA3野の計算原理に着目し、特に「シナプスコンダクタンスの非線形性」と「シータ-ガンマ結合による動的変調」が与える影響を、シミュレータを用いて定量的に検証した。
イベント駆動型データセット(N-MNIST)を用いた分類実験の結果、コンダクタンスベースモデル(COBA)は、従来の電流ベースモデル(CUBA)と比較して圧倒的に高い分類精度(81.6%対47.6%)とノイズ耐性を示した。興味深いことに、シータ波のリズム変調による性能向上効果は単純なCUBAモデルでは有意であったが、生物学的詳細度の高いCOBAモデルではその効果が飽和する傾向が見られた。
以上の結果から、リザバー計算の性能決定要因としては物理的なコンダクタンス特性と不均一性が支配的であり、脳波リズムは計算リソースが制約された環境下での補償メカニズムとして機能している可能性が示唆された。
イベント駆動型データセット(N-MNIST)を用いた分類実験の結果、コンダクタンスベースモデル(COBA)は、従来の電流ベースモデル(CUBA)と比較して圧倒的に高い分類精度(81.6%対47.6%)とノイズ耐性を示した。興味深いことに、シータ波のリズム変調による性能向上効果は単純なCUBAモデルでは有意であったが、生物学的詳細度の高いCOBAモデルではその効果が飽和する傾向が見られた。
以上の結果から、リザバー計算の性能決定要因としては物理的なコンダクタンス特性と不均一性が支配的であり、脳波リズムは計算リソースが制約された環境下での補償メカニズムとして機能している可能性が示唆された。
