講演情報

[3K1-OS-27a-03]住宅市場ABMにおけるハーディングモデルの拡張と価格増幅メカニズム分析

〇玉真 永棋1、藤井 秀樹1 (1. 東京大学大学院)

キーワード:

マルチエージェント、シミュレーション、行動経済学

昨今の東京住宅市場では,金利上昇下においても住宅価格の上昇が継続するという,標準的な金利―価格関係では説明が難しい現象が観察されている。本研究では,エージェントベースモデル(ABM)を用いて,海外投資家による取得活動の活発化という外生的な需要ショックが,国内投資家および一般世帯のトレンド追随行動(ハーディング)を活性化させ,価格上昇が増幅されるメカニズムを分析する。具体的には,(1)売買市場と賃貸市場を空室率・賃料の内生化を通じて動学的に接続する市場間リンク構造,(2)含み益を信用枠として再利用可能とする累積的信用拡張プロセス,(3)投資家タイプ別および一般世帯の異質なハーディング感応度を統合した非線形な投資意思決定プロセスを導入する。予備的なシミュレーションでは,海外投資家による取得活動の活発化がトリガーとなり,国内市場参加者のトレンド追随行動が増幅器として機能する「価格増幅構造」の存在が示唆された。