講演情報

[3Yin-A-03]生成AIは対話型鑑賞のファシリテーターになり得るかVisual Thinking Strategiesにおける中立性と共感性のトレードオフ

〇齊藤 飛鳥1,2 (1. SMFL、2. 東京都市大学)

キーワード:

対話型鑑賞、生成AI、コミュニケーション、学習デザイン、ファシリテーション

対話型鑑賞(Visual Thinking Strategies:VTS)は、美術作品を対象に対話を行うことで、観察力・思考力・コミュニケーション能力を育成する学習手法であり、教育やビジネス研修の場で活用が広がっている。一方で、熟練したファシリテーターの数が限られており、この「人」の制約が時間や場所の制約を生み、VTSの普及を妨げている。本研究は、生成AIを対話型鑑賞のファシリテーターとして設計し、AIによる対話支援がどのように成立するかを探索的に検討する。
VTSの原則である中立性・共感性・思考促進に基づき、問いの深さや応答トーンが異なる複数のプロンプトを設計・改良し、少人数での試行と実査を行った。その結果、厳密な中立性は対話構造の維持には寄与する一方で、特に非経験者においては対話への関与や心理的安全性を低下させる傾向が示唆された。
本研究は、AIを介した学習対話における中立性と共感性のトレードオフを明らかにし、生成AIが人間のファシリテーションを補完する可能性と今後の設計課題を示す。