講演情報

[3Yin-A-09]LLMを用いた混合感情の抽出による映画脚本の感情時系列分析

〇高羽 真緒1、西本 恵太1、浅谷 公威1、坂田 一郎1 (1. 東京大学)

キーワード:

自然言語処理、感情分析、感情弧、ナラティブ

計算論的物語論の分野では、物語文のセンチメントの時系列変化を可視化した感情アークに関する研究が行われてきた。しかし、より豊かな感情分析には、文脈把握、観客とキャラクタの視点分離、混合感情という要素が重要になるが、既存研究ではこれらの要素を十分には考慮できていない。そこで本論文の目的は、観客視点からの混合感情を考慮した感情アークの作成及び表現方法を提案し、その妥当性と表現力を検証することである。提案手法は、文脈把握、視点の明確化、混合感情を考慮して、LLMを用いた三段階で感情スコアを算出し、感情の幅を持った可視化を行う。本論文では映画脚本を対象として、提案手法及び既存研究による感情アークと、アノテーションデータとの定量・定性比較を行った。結果、定性比較から提案手法は他手法と比較してアノテーションとの整合性が高く、他手法では検知または表現が困難であった混合感情の状態を検知し表現できていた。一方、定量・定性結果にてアノテーションとの差異や他手法が優位になるケースも観察され、提案手法の有効性とともに限界も明らかになった。