講演情報

[3Yin-A-39]DAEを用いた高ノイズ環境下における沸騰音響信号回帰の有効性評価

〇本間 裕貴1、植木 祥高1 (1. 東京理科大学)

キーワード:

データサイエンス、社会インフラ応用、異常検知

ナトリウム冷却高速炉の安全性向上のため,炉心異常時に発生する沸騰音響信号を早期検知する技術の構築が重要視されている.しかし,実機内ではポンプ等の背景雑音が大きく,沸騰初期の微弱な音響信号の識別が困難という課題がある.本研究では,着目音響識別手法の基本的成立性を検討するため,DAE(Denoising Autoencoder)を導入し,音響信号の前処理として背景雑音を低減することで,後段の回帰モデルによる熱流束推定精度の向上を目的とした.プール沸騰実験から取得した音響データを短時間フーリエ変換(STFT)によりスペクトログラム化し,DAEによるノイズ除去後,ResNet50を用いた回帰分析を行った.その結果,DAEが学習済みのホワイトノイズに対しては,SNR-20dBの高ノイズ環境下においても予測精度が大幅に改善されることを確認した.一方,学習外の水流動音ノイズに対しては改善に寄与せず,DAEの有効性が学習段階でのノイズ特性の反映に依存することが示された.本研究は,高ノイズ環境下の音響信号回帰において,DAEの有効性とその適用条件を明確化し,ノイズ学習設計の指針策定に寄与するものである.