講演情報
[3Yin-A-55]生成AIと固定シナリオの融合による共有体験と自律的探索の両立
〇新谷 元樹1、大本 義正1 (1. 静岡大学)
キーワード:
共有体験、階層的タスクネットワーク、LLM
近年、ゲーム開発への生成AI導入は、開発効率を劇的に向上させる一方で、コンテンツの一貫性欠如や「共有体験」の喪失という深刻な課題を抱えている。個人ごとに生成内容が異なると、共通の話題が失われ、ゲームの強力な動機づけ要因である「共有体験」が損なわれる恐れがあるが、確率的なAI生成と決定論的な固定シナリオを単に混在させるだけでは、文脈の乖離や論理破綻が生じやすく、没入感の維持は困難である。そこで本研究では、LLM(Dify)の確率的な生成能力と、階層的タスクネットワーク(HTN)によるプランニングを統合したニューロ・シンボリックな開発手法を提案する。本手法の核心は、物語の制御構造を指示ではなく構造として実装した点にある。具体的には、固定イベントをHTNにおける上位ゴールと定義し、その達成に必要な前提条件へのタスク分解を論理ベースで行う一方で、LLMは分解された各サブタスクの具現化のみを担当する。これにより、ストーリー整合性を担保しつつ、AIの多様性を活かすことが可能となる。現在はプロトタイプの構築を完了しており、今後は本ツールが物語の論理的整合性とAIの自由度を高い次元で両立できるか、その有効性を実証していく。
