講演情報
[3Yin-A-64]説得対話における認知スタイルを考慮したユーザシミュレータの分析
〇渡邉 陽太郎1、吉田 希世2、齋藤 由佳2、髙﨑 環1、守屋 彰二2、赤間 怜奈2,3、鈴木 潤2 (1. 株式会社PKSHA Technology、2. 東北大学、3. 国立国語研究所)
キーワード:
対話シミュレーション、説得対話、認知スタイル
説得対話研究において,大規模言語モデル(LLM)を用いたユーザシミュレーションは,説得対話エージェントの評価において重要な基盤技術である.既存研究では,性格特性や意思決定スタイルをペルソナ情報として導入することが主であり,情報処理に関わる認知スタイルが対話行動に与える影響については十分に検討されてこなかった.本研究では,認知欲求(Need for Cognition),認知的完結欲求(Need for Closure),最大化傾向(Maximization)の三つの認知スタイルをLLMベースのユーザシミュレータに導入し,寄付説得対話においてその影響を分析した.シミュレーションの結果,認知スタイルの導入は対話行動および対話構造に影響を与えることが確認された.具体的には,認知スタイル情報を付与したユーザシミュレータは,条件検討フェーズにより多くのターンを費やす傾向を示し,発話意図の多様性も増加する傾向が見られた.また,説得結果は即時的な合意よりも条件付き受諾へと移行する傾向が確認された.さらに,相関分析の結果,認知欲求および認知的完結欲求の設定値と,対応する対話行動との間に有意な正の相関が確認された.
