講演情報

[4G1-OS-23-03]技術的曝露=種明かしとしての美的失敗AIアートをマジックとして誤読する

〇加藤 夢生1 (1. 東京大学)

キーワード:

アート、音楽、美学、失敗、マジック

本論の目的は、AIアート制作における「失敗」を、逸脱的否定性ではなく、機能的能動性の観点から再概念化することである。そのために本論は従来の「失敗の美学」に代わる「美的失敗」の概念を提起し、作品で提示される「失敗」が鑑賞者の作品解釈に作用する仕方を、マジック研究における「種明かし(exposure)」をめぐる議論を踏まえて理論化する。マジックの種明かしとは、魔術的効果を支える奇術的仕掛けを露呈させる行為であり、パフォーマンス中に生じた場合、通常は「失敗」とみなされる。しかし近年の研究では、観客の知覚を撹乱する戦略として、種明かしをパフォーマンスに意図的に組み込む実践が注目されている。これを踏まえ、本論はAIアートにおける美的失敗を、作品の生産条件である技術的限界の曝露(exposure)として再解釈する。そして、この美的失敗は、作品の表面に現れる効果とその物質的条件の因果論的関係をめぐる鑑賞者の知覚と想像力を枠づける装置として機能することを主張する。事例としてホーリー・ハーンドンの『Proto』(2019)を取り上げ、AIアート制作手法として美的失敗の今日的有効性を具体例とともに示す。

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