講演情報

[4H1-OS-4a-03]心の理論の不確定性原理—表情からの選好同定可能性の感度解析—

〇佐藤 幹晃1、古家 健成1、寺田 和憲1 (1. 岐阜大学)

キーワード:

ベイジアン心の理論、社会的価値志向性、多論点交渉、感情コンピューティング、Fisher情報行列

他者の感情から内的選好を読み取る推論には,物質的選好と社会的選好の交絡による構造的な限界が存在すると考えられる.本研究では,二者間交渉場面を題材に,効用関数のヤコビ行列の特異値分解を用いて,どのパラメータ方向が感情観測から原理的に識別困難かを分析した.その結果,利他主義的な社会的価値志向性(SVO)を持つエージェントほど物質的選好の識別が困難になるという,SVO類型に依存した非対称な構造が確認された.また,この感度指標はベイズ推論によるパラメータ回復精度とも対応しており,感情信号の情報量の構造的な不均衡が実際の推論困難さを反映していることが示唆された.