講演情報
[4H5-OS-4c-03]個人の高次元食品嗜好構造の推定
〇川上 朝香1、寺田 和憲1 (1. 岐阜大学)
キーワード:
個人選好推定、大規模言語モデル、ガウス過程回帰
本研究では,大規模言語モデル(LLM)の埋め込み空間による個人食品嗜好の予測について,In-contextLearning(ICL)による暗黙的推論とガウス過程回帰(GPR)による明示的回帰の性能特性を体系的に比較した.162名の参加者による400食品の完全評価行列を用い,学習データ数を変化させ交差検証によりRMSEおよびR2を算出した.ICL にはClaude 3.5 Sonnet およびGPT-4oを,GPRには集団平均関数を事前情報に組み込んだモデルを用いた.GPRは全観測数でICLより低いRMSEを示し,特に少数観測条件でその優位が顕著であった.また,R2が正に転じるために必要な観測数もGPRの方が少なく,より少ないデータから個人嗜好の説明力を獲得した.一方,全手法を通じてR2は低い水準にとどまったが,これは予測精度の不足というより,評価値の個人内変動とRMSEが同程度のオーダーにあるという構造的制約を反映していると考えられる.これらの結果は,集団統計量を事前情報として利用可能な場合にはGPRがデータ効率の面で優位であること,また十分な観測下では両手法の差が縮小することを示す.
