講演情報
[4Yin-B-16]エビデンスに基づく意思決定支援のためのテキスト因果提示システムと時系列予測モデルの統合
〇持田 英次郎1、橋本 龍二1、安田 卓矢1、村山 友理1、和泉 潔1 (1. 東京大学大学院)
キーワード:
予測性能評価、時系列予測、因果連鎖提示システム、大規模言語モデル、因果探索
企業活動や政策立案においては,エビデンスに基づく意思決定が重要視されており,特にある施策が成果指標に与える影響を捉える因果分析の必要性が指摘されている.近年,文書データから因果関係を抽出・提示する手法が提案されているが,提示された要因が数値時系列データ上でどの程度裏付けられるかは十分に検証されていない。本研究では,大規模言語モデルが生成した因果連鎖に基づく要因を時系列データに対応付け,Granger因果性検定により予測に有効な要因(およびラグ)を選別する。さらに,自己系列・カレンダー情報のみのモデルと,選別要因を加えたモデルを構築し,予測性能と特徴量寄与度を比較することで,テキストベース要因の有効性を評価する。実験の結果,一家庭あたりの食料品支出額の事例では自己系列とカレンダー情報のみで十分な予測精度が得られ,外生要因追加の改善は限定的であった。一方,熱中症搬送者数の事例では選別要因の追加により予測誤差が大幅に減少した。以上より,自己回帰性が高い変数では外生要因の追加価値が小さく定量的評価が難しい一方,自己回帰性が低い変数では優先的に監視すべき外生要因を定量的に抽出できることを示した。
