講演情報
[4Yin-B-27]主成分分析による科学評価指標の次元削減と構造分析SciValデータを用いた研究機関のパフォーマンス分析と評価軸の検討
〇中村 洋暢1、持橋 大地2、太田 由宇1、小泉 周1、中分 遥1 (1. 北陸先端科学技術大学院大学、2. 統計数理研究所)
キーワード:
科学計量学、研究評価、計算社会科学、主成分分析、科学の文化進化
大学の研究の評価指標は、研究資源の配分や研究者の戦略を決定する重要なインセンティブとして機能している。しかし、既存の評価体系は複雑化しており、指標の相関関係や冗長化が意思決定を不透明にしている。本研究では、科学計量学的アプローチにより、科学評価指標の構造を定量的に抽出・可視化することを試みた。エルゼビア社のSciValを用いて、Times Higher Education世界大学ランキングなどで実際に使用されている大学ごとの詳細な研究指標データを収集した。主成分分析によって、これらの独立でない47の指標の次元削減を行い、第7主成分までで全情報の約80%を説明可能であることが示された。各主成分の意味解釈を行ったところ、「研究のアウトプット規模(量)」、「研究の質・インパクト」、「国内連携」「特許への貢献」「国際・産学連携」といった次元が確認された。また、出版論文数の差による評価への影響を小さくする方法も行った。分析の結果に基づき評価基準群の特徴・次元数・冗長性を議論し、新たな大学評価基準の設計、エビデンスに基づく科学政策の策定、さらには研究者の行動変容を促す適切なインセンティブ設計のための基礎的知見の提供を試みる。
