講演情報

[4Yin-B-50]医療法に対する人工知能の範囲拡大の可能性について法令の読み替えによる考察

〇内田 満夫1 (1. 群馬大学)

キーワード:

社会医学、疫学、予防医学

近年の人工知能(AI)技術の発展は医療分野にも大きな変革をもたらし、従来は医師の補助と位置づけられてきた機械的判断を超える性能が一部で認められている。これに伴い、医療制度や法令の再検討が求められつつある。日本では医師法および医療法が戦後から医療の枠組みを規定してきたが、AIとの関係は主に医師法における責任論として議論され、医療法については十分な検討がなされていない。本研究では、医療法の各条文において「人」や「医療機関の管理・運営主体」をAIに置き換えることが可能かを検討し、①置き換え可能、②解釈により可能、③不可能の三段階で考察した。その結果、医療計画や医療提供体制の分析など情報処理を中心とする条文ではAIによる代替可能性が高い一方、医療機関の管理や医療安全体制では責任主体を人に残した上でAIが実務を担う余地が示唆された。これに対し、開設主体や行政処分、罰則規定ではAIへの置き換えは困難であった。医療法におけるAIの適用可能性は条文の性質に応じて段階的に検討することができると考えられ、今後も議論を繰り返すことにより、わが国の医療とAIの融合が進むことが期待される。