講演情報

[4Yin-B-52]類似事例の検索拡張生成を用いた判決・裁決文の抽出型要約生成

〇岡野 航希1、穴口 史将1、森田 武史1 (1. 青山学院大学)

キーワード:

抽出型要約

法務・税務の実務においては,判決・裁決文の内容を迅速かつ正確に把握するため,要約の重要性が高まっている.しかし,専門的知見を要する要約作成は属人性が高く,人的コスト削減が課題であった.近年,大規模言語モデル(LLM)による文書要約の自動化が進められているものの,法的文書では事実関係の誤認が許されず,原文表現を忠実に維持した抽出型生成が求められるため,従来のLLMの適用は困難であった.そこで本研究では,検索拡張生成(RAG)を基盤とし,類似過去事例を検索してLLMに提示することで,抽出精度および生成形式を制御する概要作成手法を提案する.本手法の有効性を検証するため,検索手法,プロンプト戦略,およびLLMの選定を比較評価した.その結果,ベクトル類似度とメタデータ(文字数,争点数,税目,裁定結果)を組み合わせたハイブリッド検索と,類似事例1件を用いたChain of Thoughtプロンプトが高い抽出精度を示した.また,主要LLMの比較では,Claude Opus 4.5が最も優れており,実務における適用可能性が示された.