講演情報

[5K2-OS-38a-03]樹脂射出成形の不良解析を目的とした空間自己回帰モデルにおける空間因果探索手法の開発

〇田中 涼介1,2、藤原 幸一1,3,4 (1. 名古屋大学、2. MCCアドバンスドモールディングス株式会社、3. 北海道大学、4. 奈良先端科学技術大学院大)

キーワード:

因果探索、空間データ、プロセスデータ解析、射出成形

プラスチックの代表的な加工法である射出成形において,製品歩留まり向上のためには不良を引き起こす因果関係を特定し対策することが求められる.射出成形は製品や金型内に温度や圧力といった物理量の分布を伴う空間的なプロセスであり,よって空間データが持つ空間的自己相関を適切にモデル化した分析が必要である.本研究では空間的自己相関を持つ目的変数を扱うために,空間自己回帰モデルにおける因果探索手法を提案する.提案手法は観測地点間の因果関係を因果グラフとして表現し,その隣接行列を推定する.隣接行列はLiNGAM(linear non-Gaussian acyclic model)により推定し,モデルパラメータは二段階最小二乗法(2SLS)により推定する.これにより提案手法は,空間構造を事前に仮定することなく観測点間の因果関係を推定できる.擬似的に生成した数値データ27例において検証した結果,空間的自己相関を考慮しない手法と比較して提案手法は予測精度が28%向上し,また因果グラフのエッジを偽陽性率1%,偽陰性率15%で推定できた(すべて中央値).加えて射出成形シミュレーションにおいて,人為的に発生させたそりの原因となる変数を特定できることを確認した.