講演情報
[19p-D62-11]遷移金属ダイカルコゲナイドモアレ超格子の熱伝導
〇許 斌1、安 盟1、増渕 覚2、町田 友樹2、塩見 淳一郎1 (1.東大工、2.東大生研)
キーワード:
二次元材料、モアレ超格子、熱計測
二次元(2D)モアレ超格子は、積層やツイスト角によって熱伝導特性を調整できることから、近年注目を集めている。Kimらの実験では、ランダムに積層されたMoS2多層モアレ超格子において、面直方向の熱伝導率が大幅に低下し、熱伝導率異方性が最大300に達することを実証。層間熱伝導とツイスト角の具体的な相関については未解明。先行研究によると、熱伝導率はツイスト角が0°から増加とともに減少し、10°から50°の間で最小値をとり、50°以降は再度増加。本研究では、高感度の時間領域サーモリフレクタンス(TDTR)法を用いて、ツイスト二層WS2とMoS2の層間の熱コンダクタンスを測定し、理論研究と同様の傾向を確認。また、ラマン分光法により、ツイストに起因するひずみと格子の再構成が熱伝導率と強く相関することを明らかにした。この研究は、モアレ超格子の熱伝導メカニズム解明や熱伝導制御に重要な実験指標を提供する。
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