[IIYS-03]沖縄在来鶏の遺伝的多様性とその類縁関係の解析
○松永 萌1, 高田 勝2, 米澤 隆弘3, Jade Dhapnee Compendio Zarate4, 山本 義雄5,6, 西堀 正英6(1.広島大生物生産, 2.沖縄こどもの国, 3.東農大農, 4.広島大院生物圏生物資源, 5.家畜学研, 6.広島大院生物圏)
Miaoら(2013)はセキショクヤケイ,世界各地の在来鶏および商用鶏のミトコンドリアDNA全領域を用いて系統解析を行い,これらは遺伝的にハプログループA-I,W-Zの13のグループに分かれることを報告した.一方で,琉球列島で飼育されている沖縄在来鶏を用いた分子系統解析に関する報告は少ない(Komiyamaら, 2004; Okaら, 2007).本研究では沖縄在来鶏(チャーンとタウチー)の遺伝的多様性とその類縁関係を明らかにすることを目的とし,それらのハプログループを決定するとともにその遺伝子流動について考察した.Miaoら(2013)の13ハプログループを基に解析を行ったところ,チャーンはハプログループB,Dに,タウチーはハプルグループB,C,D,Hに分かれた.それぞれの遺伝的類縁関係を明らかにするため,周辺国の在来鶏も加えて系統解析を行った結果,チャーンとタウチーは中国およびインドネシアの在来鶏と近縁であると考えられた.ハプログループHには軍鶏型のタイ在来鶏(Teinlekら, 2018)も分布していることから,タウチーの成立は複数の国々の在来鶏と関わっている可能性があると考えられた.これまでの報告からも軍鶏は多数の地域に起源があることが指摘されており(Komiyamaら, 2003; Okaら, 2007),本研究においてもその説が支持された.
