講演情報

[II-20-20]鉄の経口給与が経産牛に及ぼす影響

*堀内 邑希子1、阿部 信彦1、黒澤 亮2 (1. 小野田化学工業(株)、2. 東農大農)
【目的】酪農家にとって生乳の安定生産、子牛の死亡事故率低減は長期の課題である。これを解決できる資材として、妊娠末期から泌乳量が最も多くなる時期に不足する鉄分に着目し、鉄が豊富に含まれる乾燥黄土入り混合飼料を給与することで乳牛の血中Fe、Hct値および免疫細胞数に及ぼす影響について分析及び検討を行った。【材料・方法】供試動物としてホルスタイン種経産牛を20頭用い、乾乳期から分娩90日後までを給与期間とした。飼料は神奈川県伊勢原市I牧場で慣行給与されるTMR飼料に加え、給与区は乾乳期から分娩後90日まで乾燥黄土入り混合飼料「丹」を40g/日給与した。測定項目は泌乳量と体重、また血液成分として分娩前45、21日および分娩後7、30、60日後に採血した血中Fe、Hct値、免疫細胞数を測定した。【結果】泌乳量は、対照区に比べ給与区で分娩2ヶ月目のピーク時に高く、その後の減少曲線も緩やかであった。血液中のFe、Hct値は対照区に比べ給与区で分娩後の低下が軽減され、また分娩後の体重増加は給与区が対照区に比べて高かった。さらに、免疫細胞数は対照区に対して給与区で高い値を示した。以上の結果から、乳用牛における分娩前後の「丹」の給与は泌乳量を増加させることによって生乳の安定生産に繋がり、分娩後の血中Fe濃度、Hct値の低下を抑制し、免疫細胞を増やすことより分娩前後の事故低減が期待できる。