講演情報
[II-20-31]黒毛和種の血漿およびルーメン液における揮発性脂肪酸新規分析系の確立および評価
*都 ハンウル1、吉田 恵実2、正木 達規2、岩本 英治2、友永 省三1 (1. 京大院農、2. 兵庫農技総セ)
【目的】酢酸、プロピオン酸および酪酸などの揮発性脂肪酸(VFA)は、げっ歯類では脂肪細胞の分化抑制や膵β細胞のインスリン分泌促進に、黒毛和種では脂肪細胞の分化促進に、それぞれ働くことが報告されている。VFAが血液を介して各細胞に働くことを想定すると、血中VFA濃度の把握は重要である。本研究では、黒毛和種の血漿およびルーメン液におけるVFAの新規分析系を確立し、血液とルーメンに関する検討を行った。 【方法】黒毛和種の血漿およびルーメン液におけるVFA新規分析系(ガスクロマトグラフ質量分析計)の妥当性を検討した。次に、本分析系を用いて血漿およびルーメン液のVFA濃度の相関を調べた。更に、肥育に伴う血漿中VFA濃度の変化も検討した。 【結果および考察】分析系の妥当性を確認した。血漿中VFA濃度は、先行研究の細胞に働く濃度に達していた。血漿とルーメン液のVFA濃度に相関が認められたことから、血中VFAにはルーメン由来が含まれていることが推測された。血漿の酢酸濃度および酢酸/プロピオン酸比は、肥育に伴い減少した。ルーメン液の酢酸濃度は粗飼料多給により増加しプロピオン酸濃度は濃厚飼料多給により増加することが報告されていることから、本結果は肥育期のルーメン内VFA濃度を反映している可能性がある。以上より、今回確立した分析系は、VFAの代謝および機能解明に有用である可能性が示唆された。
