講演情報
[II-20-32]黒毛和種牛における血液中のビタミンDの状況把握および末梢血単核球へのビタミンD添加作用の検討
*乙丸 孝之介1、宇佐 天音1、津川 尚子2 (1. 鹿児島大獣、2. 神戸学院大栄養)
ビタミンDは、脂溶性ビタミンの1つであり必須栄養素であり、ヒトにおいては、近年、免疫機能向上や抗炎症作用などが注目されているが、牛については、ほとんど調査されておらず、黒毛和種牛については全く調査されていない。そこで、黒毛和種牛の血液中ビタミンD濃度について調査するとともに血液より分離した単核球にビタミンDを添加して培養試験を行った。繁殖牛については、3農場において夏季と冬季に調査したが、いずれの農場においても冬季でビタミンD濃度が低値であった。また、太陽光のあたらない農場では、ビタミンD濃度は低い傾向であった。子牛のビタミンD濃度は、出生から2週齢まで低値であったが、4週齢以降は、基準値である20ng/ml以上の濃度であった。末梢血単核球へのビタミンD添加については、Poly:IC刺激に対して、ビタミンD添加群では無添加群と比較し、培養上清の抗酸化能は有意に高値であり、TNFα(炎症反応)は有意に低値であった。培養細胞における細胞生存率については、Poly:IC刺激下において、ビタミンD添加群の生存率は有意に高値であった。今後、生体における調査においては、飼料中のビタミンD含有量等の調査。細胞レベルでの調査においては、顆粒球に対する調査ならびに細胞の遺伝子レベルでの調査が必要であると考えている。なお、これらの取り組みは、薬剤に頼らず健康維持、抗病性向上を目指した研究である。
