講演情報

[IV-20-11]ウシ精子へのTLR7/8リガンド処理が体外受精胚の性比および発生能に及ぼす影響

*山本 哲史1、福本 豊1、城田 圭子1 (1. 広島総技研畜技セ)
【目的】近年、X精子にのみ発現するToll様受容体(TLR)7/8のリガンド処理によりX/Y精子を分離する技術が開発され(Umeharaら、2019)、簡易な雌雄産み分け技術として期待されている。本研究ではTLR7/8リガンドによる精子処理がウシ体外受精胚の性比および生産効率に及ぼす影響を調査した。【方法】食肉処理場由来卵巣から採取した卵子を体外成熟培養し、黒毛和種凍結精液(4頭分)を用いて体外受精を行った。当センター定法による体外受精を対照区とし、処理区は融解後精液をTLR7/8リガンドを含む反応液中で培養した後、上層精子を回収して媒精に用いた。発生培養は両区ともセンター定法で行い、各発育段階における発生率、胚の品質(IETS指標および四指標(Sugimuraら、2012))および性比を調査した。【結果】4頭中1頭の精液についてTLR7/8リガンド処理により83%の雄胚率が得られた(未処理:54%)。この種雄牛における体外受精後の発生率は、いずれの発育段階においても両区に差は認められず、また生産胚の品質(Code1率および四指標達成率)についても両区同様であった。以上の結果から、TLR7/8リガンドによる精子処理はウシ体外受精胚の生産効率と品質を損なうことなく、雄胚比率を向上させる可能性が示された。本研究は農林水産省「国際競争力強化技術開発プロジェクト」の助成を受け実施した。