講演情報

[VII-20-16]筋幹細胞活性化因子HGFのニトロ化による不活化に関する研究:
抗HGFモノクローナル抗体のニトロ化抑制効果の検証

*田中 咲帆1、Elgaabari Alaa2,3、圖師 歌歩乃1、澤野 祥子2,4、水野谷 航2,5、松吉 祐児1、鈴木 貴弘2、中村 真子2、辰巳 隆一2 (1. 九大院生資環、2. 九大院農、3. Kafrelsheikh University (Egypt)、4. 麻布大生命環境、5. 麻布大獣)
【目的】筋幹細胞(衛星細胞)の活性化因子である肝細胞増殖因子(HGF)のチロシン残基(Y)198, 250がニトロ化されると生理活性を失うことを見出し、この現象が加齢性筋萎縮および再生不全(線維化)の新奇要因であることを提起した(第130回大会)。本研究では、HGFのY198のニトロ化を認識する抗HGFモノクローナル抗体(クローン1C10と2F4)の特性を調べると共に、HGFのニトロ化抑制作用の有無を検証した。
【方法】リコンビナントHGFに1C10および2F4抗体をそれぞれ種々の終濃度で添加した後、pH 7.4の生理的条件下でペルオキシナイトライト(ONOO⁻)を加えニトロ化誘導処理を行った。抗ニトロチロシン抗体を用いたウエスタンブロッティングにより1C10および2F4抗体のニトロ化抑制作用を検証した。
【結果および考察】 1C10および2F4抗体はHGFのニトロ化の有無によって反応性が異なることから、ニトロ化を受けるY198の極近傍にこれらの抗体が結合すると考えられた。そこで、1C10・2F4抗体をHGFに結合させた後にニトロ化処理を行うと、抗体の濃度依存的に抗ニトロチロシン抗体に対する反応強度(HGFのニトロ化の指標)が顕著に減少した。この結果から、1C10および2F4抗体はY198の極近傍に結合し、立体障害となることで、HGFのニトロ化抑制作用を発揮すると洞察された。