一般社団法人日本家政学会第74回大会

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2022年5月27日〜5月29日オンライン開催
一般社団法人日本家政学会大会
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2022年5月27日〜5月29日オンライン開催

[2B-01]食塩添加量と肉粒子径がテクスチャー特性とハンバーグの微細構造に及ぼす影響

〇淺井 智子1、奥山 奈名実1、関野 朱夏1、萬成 誉世1、高村 仁知1(1.奈良女子大)

キーワード:

肉粒子径、ハンバーグ、テクスチャー、微細構造観察

【目的】食肉加工品への食塩添加はミオシンの可溶化やゲル形成能に関与し,製品のテクスチャー等に大きく影響する。ソーセージと異なり低濃度の食塩が添加されるハンバーグに対して肉粒子径が及ぼす影響については未だ明らかではない。本研究では,ハンバーグを試料として食塩添加量と肉粒子径の違いがテクスチャー特性と微細構造に及ぼす影響を検討した。
【方法】肉粒子径の異なる合挽肉2種類(プレート目直径3㎜を基準肉,7㎜を粗挽肉とする)を用い,挽肉300gに肉重量0.4%,0.6%,0.8%の食塩を加え手で40回混捏後,炒め玉ねぎ45gを加え40回混捏した。50gずつ成型後(直径70㎜),180℃のフライパンで2分間,裏返して7分間加熱した。調製したハンバーグの静的粘弾性測定,水分量測定,官能評価,SEM観察を行った。
【結果】静的粘弾性測定の結果,基準肉では食塩添加量が下がるにつれ破断応力が低く,粗挽肉では基準肉・塩分0.8%よりも有意に低くなった。水分量測定の結果,基準肉では食塩添加量を減少させるほど水分量が有意に下がるのに対し,粗挽肉では差がなかった。官能評価では,基準肉・塩分0.8%と粗挽肉・塩分0.6%における総合的なテクスチャーの好ましさに差はなかった。食塩添加量と粒子径の違いにより筋原線維の微細構造が異なっていた。食塩添加量を減少させた場合でも肉粒子径の大きい挽肉の使用により嗜好性が維持されることが示唆された。