[2B-03]乾燥させた新タマネギ葉の品質に及ぼす長期保存の影響―水分活性,色調,抗酸化能および呈味特性に着目して―
〇湯浅 正洋1,2、上野 真由子2、川邊田 晃司2,3、森川 真帆2、植村 百江2、松澤 哲宏2、冨永 美穂子4(1.神戸大、2.長崎県立大、3.長崎国際大、4.広島大)
キーワード:
乾燥させた新タマネギ葉、水分活性、色調、抗酸化能、味覚応答
目的:新タマネギの葉は廃棄部位であるが,種々の野菜類と同等の抗酸化能を示すため,食資源として有用である一方,保存性が低くその利用例は少ない.本研究では,新タマネギ葉の保存性を高めるために乾燥加工を試みるとともに,その長期保存による品質の変化を評価した.
方法:新タマネギ葉は凍結乾燥後,ジッパー付きの袋に脱酸素剤と乾燥剤を同封して保存した.試料は遮光して4・20・30℃で24週間保存し,0・4・12・24週目に回収した.評価項目は,水分活性,色調,抗酸化能(総Oxygen Radical Absorbance Capacity[ORAC]値),抗酸化物質含量および味覚応答(味認識装置)とした.
結果:乾燥させた新タマネギ葉の水分活性は,0週目で0.26と保存性が高かったが,4週目以降上昇し,24週目には0.50程度となった.a*値は保存期間が長いほど上昇し,20・30℃保存下では,24週目で褐色化した.総ORAC値・総ビタミンC・β-カロテンは保存期間が長いほど低下し,20℃以上では総ビタミンCとβ-カロテンの減少速度が速かった.味覚応答は,4週目以降で苦味雑味と苦味が低下し,24週目には酸味が上昇するなど呈味バランスが変化し,30℃でその変化速度が速かった.ほとんどの評価項目の経時的変化は4℃で最も小さく,12週目までの変化が小さかったため,凍結乾燥した新タマネギ葉は冷蔵で約3ヵ月保存可能なことが示唆された.
方法:新タマネギ葉は凍結乾燥後,ジッパー付きの袋に脱酸素剤と乾燥剤を同封して保存した.試料は遮光して4・20・30℃で24週間保存し,0・4・12・24週目に回収した.評価項目は,水分活性,色調,抗酸化能(総Oxygen Radical Absorbance Capacity[ORAC]値),抗酸化物質含量および味覚応答(味認識装置)とした.
結果:乾燥させた新タマネギ葉の水分活性は,0週目で0.26と保存性が高かったが,4週目以降上昇し,24週目には0.50程度となった.a*値は保存期間が長いほど上昇し,20・30℃保存下では,24週目で褐色化した.総ORAC値・総ビタミンC・β-カロテンは保存期間が長いほど低下し,20℃以上では総ビタミンCとβ-カロテンの減少速度が速かった.味覚応答は,4週目以降で苦味雑味と苦味が低下し,24週目には酸味が上昇するなど呈味バランスが変化し,30℃でその変化速度が速かった.ほとんどの評価項目の経時的変化は4℃で最も小さく,12週目までの変化が小さかったため,凍結乾燥した新タマネギ葉は冷蔵で約3ヵ月保存可能なことが示唆された.