[2C-01]和式洋裁の実態―海外の家庭科教育との比較(待ち針を中心に)―
〇滝澤 愛1(1.椙山女学園大学)
キーワード:
洋裁、待ち針、洋裁道具、ミシン裁縫
目的 教育現場において、洋裁本来の手法とは異なる縫い方をする学生が散見され、ミシン裁縫の際には不安定で手が危険な場面も目にする。昨年度は、1892年~2020年に発刊された海外の洋裁本17冊、国内の洋裁教本60冊と小・中学生の家庭科教科書5冊、計82冊の待ち針の打ち方や日本における洋裁教育の調査、研究を行い、これまで日本の学校教育では、欧米式の正しい洋裁手法について一切教えられておらず、和裁手法のまま洋裁を行ってきたことが明らかとなったことを発表した。今回は、諸外国の家庭科の授業では洋裁をどのように教えているか、今回も待ち針を中心に調査、比較検討をすることで、現在の日本の洋裁教育の実態を明らかにすると共に教育上の問題点を検証することを目的とした。
方法 教科書図書館(東京都江東区)が所蔵している現代の家庭科の教科書を、洋裁に関する記載の有無、手法などの調査を網羅的に行い、日本の家庭科教科書との比較検討を行った。
結果 所蔵の家庭科教科書のうち洋裁に関する記載のあった国は、アメリカ、フランス、スイス、シンガポール、タイ、マレーシア、台湾、韓国の8か国であった。その中で待ち針の打ち方が日本式であったのはシンガポールと韓国のみであった。ただし、韓国は正しい洋裁手法で記載されている教科書も多く見られ、和式と洋式が混在していた。これらのことからも、日本は世界から見て特殊な手法の洋裁教育を行っていることが明らかとなった。
方法 教科書図書館(東京都江東区)が所蔵している現代の家庭科の教科書を、洋裁に関する記載の有無、手法などの調査を網羅的に行い、日本の家庭科教科書との比較検討を行った。
結果 所蔵の家庭科教科書のうち洋裁に関する記載のあった国は、アメリカ、フランス、スイス、シンガポール、タイ、マレーシア、台湾、韓国の8か国であった。その中で待ち針の打ち方が日本式であったのはシンガポールと韓国のみであった。ただし、韓国は正しい洋裁手法で記載されている教科書も多く見られ、和式と洋式が混在していた。これらのことからも、日本は世界から見て特殊な手法の洋裁教育を行っていることが明らかとなった。