[3C-04]酒粕摂取による抗老化効果の検討
〇原田 真里那1、海切 弘子2、藤井 力3、松原 主典1(1.広島大、2.広島文化学園短大、3.福島大)
キーワード:
老化、老化促進マウス、酒粕
[目的] 近年,腸及び腸内細菌がヒトの健康に影響することが注目されている。そのため,腸や腸内細菌叢に影響を与える発酵食品の機能性が注目されている。本研究では,日本の伝統的発酵食品である酒粕の摂取が老化や腸内環境与える影響について検討を行った。 [方法] 実験動物には,老化促進モデルマウス(Senescence-Accelerated Mouse Prone 8: SAMP8)と正常老化モデルマウス(Senescence-Accelerated Mouse Resistant 1: SAMR1)を使用した。酒粕を配合していない飼料を与えたControl群(SAMP8)及び正常老化群(SAMR1)と酒粕を10%配合した飼料を与えた酒粕投与群(SAMP8)を比較検討した。老化の進行への影響については,老化度評点・行動科学試験・握力測定で比較し,脳の組織化学評価も行った。また,糞中の免疫グロブリンA(IgA)濃度測定により,腸への影響を検討した。[結果] 平均摂餌量は,酒粕投与群の方がControl群より有意に多かったが,体重変化については有意な差は認められなかった。老化度評点の結果から,一定の老化後は酒粕摂取により毛や皮膚の状態を維持する可能性が示唆された。行動科学試験の結果から,情動性に何らかの良い影響を与えることが示唆された。また、酒粕摂取により糞中IgA濃度が高まることが明らかとなった。