[3C-05]モチ性大麦ゲル置換パンの調理特性
〇露久保 美夏1、高橋 美音1(1.東洋大)
キーワード:
モチ性大麦、ゲル、パン
【目的】モチ性大麦(以下,モチ麦)を添加したパンの膨化性を向上させるために,デンプンを糊化させたゲルを用いて調製した際のパンの調理特性を調べることとした。
【方法】モチ麦粉に蒸留水を加えて加熱し,終了温度が65℃のものを低温ゲル,87~89℃のものを高温ゲルとした。食パンの基本材料のうち,強力粉の15%をモチ麦粉またはモチ麦ゲルで置換した。焼成後の食パンは放冷後,4℃および20℃で48時間保存した。測定項目は,生地の発酵試験,焼成後の外観観察,高さ,重量,体積,色,顕微鏡観察,水分量,物性とした。また,コントロールと高温ゲル置換パンについて官能評価を行った。
【結果】焼成後はモチ麦粉置換では膨らみが小さく,クラムの様子は気泡が大きく不均一であった。高温ゲル置換では気泡は小さく揃っていた。高さはコントロールと比較して高温ゲルでは有意差がなく,高温ゲルを置換すると生地の伸展性が向上し発酵時と焼成時の伸びに影響を及ぼしたと考えられた。硬さは20℃保存の時,高温ゲル置換がコントロールと比較して有意に低くなり,糊化デンプンを添加したことにより保水性が高まり老化しにくくなったことが示唆された。官能評価は高温ゲル置換のもちもち感,しっとり感の評価が他試料と比較し有意に高く,総合評価で最も好まれた。モチ麦高温ゲルを用いることで膨化性の低下を防ぎ,保存後も硬くなりにくく嗜好性が高いパンを焼成できることが明らかとなった。
【方法】モチ麦粉に蒸留水を加えて加熱し,終了温度が65℃のものを低温ゲル,87~89℃のものを高温ゲルとした。食パンの基本材料のうち,強力粉の15%をモチ麦粉またはモチ麦ゲルで置換した。焼成後の食パンは放冷後,4℃および20℃で48時間保存した。測定項目は,生地の発酵試験,焼成後の外観観察,高さ,重量,体積,色,顕微鏡観察,水分量,物性とした。また,コントロールと高温ゲル置換パンについて官能評価を行った。
【結果】焼成後はモチ麦粉置換では膨らみが小さく,クラムの様子は気泡が大きく不均一であった。高温ゲル置換では気泡は小さく揃っていた。高さはコントロールと比較して高温ゲルでは有意差がなく,高温ゲルを置換すると生地の伸展性が向上し発酵時と焼成時の伸びに影響を及ぼしたと考えられた。硬さは20℃保存の時,高温ゲル置換がコントロールと比較して有意に低くなり,糊化デンプンを添加したことにより保水性が高まり老化しにくくなったことが示唆された。官能評価は高温ゲル置換のもちもち感,しっとり感の評価が他試料と比較し有意に高く,総合評価で最も好まれた。モチ麦高温ゲルを用いることで膨化性の低下を防ぎ,保存後も硬くなりにくく嗜好性が高いパンを焼成できることが明らかとなった。