一般社団法人日本家政学会第74回大会

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2022年5月27日〜5月29日オンライン開催
一般社団法人日本家政学会大会
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2022年5月27日〜5月29日オンライン開催

[3C-06]古代小麦を用いたパンの性状と官能特性

〇池田 昌代1、秋山 聡子1、鈴野 弘子1(1.東農大)

キーワード:

古代小麦、スペルト小麦、ヒトツブ小麦、パン

【目的】古代小麦は、普通小麦と比べ、ビタミン、ミネラル、食物繊維が多く、小麦アレルギーの発症率が低いことが報告されているが、グルテン形成能が低く、調理・加工しにくい特徴がある。そこで、本研究では古代小麦を原料としたパンの性状と官能特性について検討した。 【方法】 試料はヒトツブ小麦((株)CHAYAマクロビフーズ)およびスペルト小麦((株)富澤商店)、対照は普通小麦(日清製粉(株))とした。各小麦粉で調製した生地をオーブンで焼成し実験に供した。焼成後のパンは比容積、色彩色差測定(CM-700d)、破断強度測定(RE33005S )および官能評価を行った。また生地および焼成後のパンの組織構造を電子顕微鏡(TM4000)で観察すると共に抽出タンパク質のSDS-PAGEを行った。【結果】 ヒトツブ小麦パンは、普通小麦パン、スペルト小麦パンと比較し比容積が有意に低く、組織観察においては内相の気泡が小さかった。また、破断曲線は、破断直前までの傾きが小さく破断点が明確に確認できる普通小麦パン、スペルト小麦パンに対し、ヒトツブ小麦パンは、測定直後からの荷重が高く、 破断点までの傾きが大きかった。分析型官能評価では、ヒトツブ小麦パンは、普通小麦パンより小麦の香りが強く硬いと評価された。また、SDS-PAGEでは、ヒトツブ小麦の生地からパンを焼成する過程で53-65kDaのタンパク質が減少していることを確認した。