一般社団法人日本家政学会第74回大会

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2022年5月27日〜5月29日オンライン開催
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[3C-12]リポキシゲナーゼ欠失大豆の栄養的価値に関する研究(II)機能性タンパク質の分析

〇黒田 久夫1(1.東京家政学院大学)

キーワード:

リポキシゲナーゼ欠失大豆、β-コングリシニン、グリシニン

【背景と目的】食品中のリポキシゲナーゼ(LOX)は、脂質を酸化し、オフフレーバーを生成して食品の品質を低下させる。大豆では、種子で発現する3つのLOXアイソザイムを全て欠失する品種(LOX欠失大豆)が育種され、豆乳などの香味を改善できることが示されている。一方、LOX欠失大豆の栄養的価値については、不明な点が多い。前報では、市販されているLOX欠失大豆(品種:すずさやか)の煮大豆の脂肪酸組成と一般成分を報告した。今回は、構成タンパク質の分析に関して報告する。
【方法】LOX欠失大豆(すずさやか)と普通大豆(とよまさり)の豆乳を作製した。豆乳の一部をアセトン沈殿後、SDS-PAGEサンプルバッファーまたは等電点電気泳動用サンプルバッファーに溶解し、それぞれをSDS-PAGEと2次元電気泳動にかけた。2次元電気泳動の等電点電気泳動は、アトー社のアガロースディスクゲルを利用した。タンパク質は、CBB染色して可視化した。
【結果と考察】電気泳動の分子量とpIの情報から、β-コングリシニンとグリシニンを推定した。両品種の豆乳に含まれるβ-コングリシニンの含量には大きな差が見られなかった。一方、酸性及び塩基性グリシニンの含量は、とよまさりに比べると、すずまさりの方が少なかった。β-コングリシニンは中性脂肪低減効果が、グリシニンはコレステロール低下作用が期待されているが、品種間による違いに興味が持たれる。