一般社団法人日本家政学会第74回大会

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2022年5月27日〜5月29日オンライン開催
一般社団法人日本家政学会大会
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2022年5月27日〜5月29日オンライン開催

[3C-16]ユズの香気が睡眠の質に与える影響

〇小長井 ちづる1、仲澤 聡美1、深井 優姫1、山越 未晋1(1.十文字女大)

キーワード:

ユズ、睡眠、アクチグラフィー

【目的】 日本人は、睡眠時間が6時間未満の者が約4割を占めることが報告されており、特に若年女性において、睡眠の質の低下が日中の活動に影響を与えていることが指摘されている。本研究では、ユズ(Citrus junos)の香気が若年女性の睡眠の質に与える影響を検討することを目的とした。
【方法】 被験者は、平均年齢21.8±0.4歳の健康女性12名とし、ヘルシンキ宣言に基づきインフォームド・コンセントを得た。試料は20%ユズ精油およびホホバ油(無臭対照)とした。被験者は、就寝直前にアロマシール(無臭)に試料0.2 mLを滴下し左鎖骨付近に寝衣の上から貼付した。連続した7日間、いずれか一方の試料の香気を睡眠中に自然呼吸により吸入し、次の7日間は、もう一方の試料について同様に実施した。睡眠中の活動量の測定にはアクチグラフを用いた。また、毎朝の起床時にOSA睡眠調査票MA版に回答させ、睡眠内省を得た。
【結果】 睡眠時の活動量解析の結果、ユズ精油の香気を吸入していた期間は無臭対照の場合と比べてSleep Fragmentation indexが有意に低く、ユズ精油の香気によって、睡眠の分断が抑制されていた。睡眠内省についても、寝付きや疲労回復に関する項目で、ユズ香気の場合には評価が高い傾向がみられた。以上の結果から、睡眠中のユズ香気の吸入は、睡眠の質を向上させ、主観的な入眠感の向上や疲労回復感をもたらすことが示された。