一般社団法人日本家政学会第74回大会

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2022年5月27日〜5月29日オンライン開催
一般社団法人日本家政学会大会
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2022年5月27日〜5月29日オンライン開催

[3F-01]有機化合物の吸着による各種ナイロンの識別の可能性

〇稲田 文1、金澤 等2(1.活水女大、2.山形大)

キーワード:

有機化合物、吸着、繊維、ナイロン

目的 繊維の種類によって臭気成分のつきやすさが異なる。例えば羊毛繊維は綿繊維より臭いがつきやすい。このような繊維やタンパク質などの高分子材料に対する物質の吸着は、互いの分子間相互作用による。しかし、吸着現象は複雑で有り、分子レベルで検討した例はみられない。本研究は、繊維や構造の類似した高分子に対する種々の有機化合物の吸着実験を行い、吸着傾向を分子構造から解釈し、鑑別に応用することを目的とする。
実験 1)ナイロン6、ナイロン66、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12の粒状(1~2mm)は、メタノールで抽出後、乾燥した。吸着物質:有機化合物(ベンゼン置換体、アセトニトリル、ジオキサン、DMF、デカンなど)、炭素数の異なるアルコール。2)吸着実験 有機化合物の飽和蒸気に高分子材料を40℃で24時間吸着させたのち、吸着物質を酢酸エチルで抽出、ガスクロマトグラフィー(装置:島津GC-2025)で分析した。
結果 各ナイロンに対する9種類の有機化合物の混合物からの吸着をおこない、各化合物の吸着量を求めた。その結果、1)ナイロン6とナイロン66の吸着傾向は類似し、メタノールおよびアセトニトリルの吸着量に占める割合が多いが、デカンは吸着しにい。2)ナイロン612,11,12の吸着傾向は類似し、ナイロン6やナイロン66よりトルエンを多く吸着した。この他の結果も含めて、吸着傾向は蒸気圧以外の因子に支配されると見られた。