[3F-03]多糖類ナノクリスタルを用いた綿布の改質
〇飯塚 茜吏1、緒方 有希1、佐藤 優花1、松井 渚1、荒木 潤2、雨宮 敏子3、濱田 仁美1(1.東京家政大、2.信州大、3.お茶女大)
キーワード:
キチンナノクリスタル、消臭性、セルロースナノクリスタル
目的 本研究では、セルロースナノファイバーより軸長の短いセルロースナノクリスタル(CNC)やキチンナノクリスタル(ChNC)を綿布に塗布し、加工布の物性や洗濯耐性、消臭性能を評価し、多糖類ナノクリスタルを利用した天然繊維布の新たな改質法を検討した。
方法 油分や樹脂加工剤等を除去する前処理を行った綿布に、調製した酸化CNC及びChNC水懸濁液を含浸させ、酸化CNC加工布及びChNC加工布を作製した。これらの試料布について、曲げ特性、圧縮特性、表面摩擦特性、通気性、引張強度を測定し、物性を評価した。また、綿白布、酸化CNC加工布、ChNC加工布について気体検知管を用いてアンモニア及び酢酸の消臭試験を行い、悪臭の消臭性能を評価した。
結果 酸化CNC加工布、ChNC加工布は綿白布と比べ、曲げ剛性はやや高くなったが、圧縮特性、表面摩擦特性、通気性、引張強度に大きな変化は見られず、綿布本来の風合いを保つことができていた。消臭試験では、酸化CNC加工布はアンモニアの高い消臭性能を示した。TEMPO酸化によりセルロースに導入されたカルボキシ基とアンモニアとの結合により、高い消臭性を示したと考えられる。また、塗布した酸化CNCは洗濯により徐々に脱離するが、再付着させると消臭性が再発現されることを確認した。ChNC加工布は酢酸の消臭性能を示した。
方法 油分や樹脂加工剤等を除去する前処理を行った綿布に、調製した酸化CNC及びChNC水懸濁液を含浸させ、酸化CNC加工布及びChNC加工布を作製した。これらの試料布について、曲げ特性、圧縮特性、表面摩擦特性、通気性、引張強度を測定し、物性を評価した。また、綿白布、酸化CNC加工布、ChNC加工布について気体検知管を用いてアンモニア及び酢酸の消臭試験を行い、悪臭の消臭性能を評価した。
結果 酸化CNC加工布、ChNC加工布は綿白布と比べ、曲げ剛性はやや高くなったが、圧縮特性、表面摩擦特性、通気性、引張強度に大きな変化は見られず、綿布本来の風合いを保つことができていた。消臭試験では、酸化CNC加工布はアンモニアの高い消臭性能を示した。TEMPO酸化によりセルロースに導入されたカルボキシ基とアンモニアとの結合により、高い消臭性を示したと考えられる。また、塗布した酸化CNCは洗濯により徐々に脱離するが、再付着させると消臭性が再発現されることを確認した。ChNC加工布は酢酸の消臭性能を示した。