一般社団法人日本家政学会第74回大会

一般社団法人日本家政学会第74回大会

2022年5月27日〜5月29日オンライン開催
一般社団法人日本家政学会大会
一般社団法人日本家政学会第74回大会

一般社団法人日本家政学会第74回大会

2022年5月27日〜5月29日オンライン開催

[3F-06]茜染色における濃色で堅ろうな染色方法の検討-染色温度と媒染時のpHと浸漬時間を中心に-

〇牟田 緑1、塚崎 舞2、小山 菜摘1、宇田川 菜々花1、米川 栞1、牛腸 ヒロミ2(1.東京家政大学、2.実践女大)

キーワード:

インド茜、西洋茜、媒染法

【目的】前報1)の結果を踏まえ,ここでは染色温度,重ね媒染時の㏗・時間の効果を検討し,染色布の色の濃さや色相や堅ろう度に及ぼす影響をk/s値,L*a*b*値,等級により評価した.
【方法】絹14匁羽二重は0.1%モル濃度のミョウバン液で24時間先媒染した. 各茜の粗粉水抽出液で,染色温度を25℃から80℃で60分染色した. 重ね媒染時の㏗を7.38 ~12に調整し,浸漬時間も0.5~72hと変化させ,0.1%モル濃度の酢酸カルシウム水溶液で後媒染し,ミョウバン/酢酸カルシウム重ね媒染を行った.
【結果及び考察】上記条件で重ね媒染した染色布は,k/s曲線は双方とも510nmに極大値をもつ赤色に染まった. 染色温度が25℃から80℃と高くなるほどk/s値は大きくなり,インド茜染色布の方が西洋茜のそれよりk/s値は大きかった. また350nm~450nmにかけての曲線の勾配が双方で特異的な違いがみられた. L*a*b*の測定結果ではL*値はインド茜で低く,西洋茜では大きい結果となった. a*値ではインド茜は大きく赤みのある茜色を示した. これらの色相の違いは植物の色素分子の違いの影響と考察される. 耐光堅ろう度は4級から3級で、更なる染色法の工夫が求められる.重ね媒染時の㏗・時間の影響が染色布のk/s値や染色堅ろう度に顕著にあらわれた.

1)牟田綠、小山菜摘、塚崎舞、牛腸ヒロミ, 繊維学会2021年秋季研究発表会(2021)