一般社団法人日本家政学会第74回大会

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2022年5月27日〜5月29日オンライン開催
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[3F-07]シコン染色における媒染剤と媒染方法の影響

〇塚崎 舞1、柴﨑 未吏1、牟田 緑2、小山 菜摘2、牛腸 ヒロミ1(1.実践女大、2.東京家政大)

キーワード:

シコン、染色、媒染剤、絹

【目的】天然の植物染料であるシコンを用いて、絹白布の濃色で堅ろうな染色を試みた。媒染剤や媒染方法が染色布の色の濃さや色相や染色堅ろう度に及ぼす影響を、k/s値、L*a*b*値、等級により評価した。
【方法】メタノールで抽出したシコン色素液に同量のイオン交換水を加え染色液とした。染色布として精錬した絹白布(14目付)を使用した。媒染剤は無水硫酸カリウムアルミニウム(ミョウバン)など6種類の金属塩を用いた。媒染方法は先媒染、重ね媒染、後媒染法で行った。
染色布の反射率からk/s値を計算した。k/s値は染色布の色の濃さと相関がある。L*a*b*値も測定し、c*値はa*b*値から計算した。染色堅ろう度はJISに準拠して測定した。
【結果】媒染剤としては、カルシウム(Ca)や鉄(Fe)やバナジウム(V)を含む塩よりアルミニウム(Al)を含む塩が最もk/s値が大きく濃色に染まった。媒染方法としては、総じて先媒染法が最もk/s値が大きく濃色に染まり、重ね媒染法、後媒染法と続いた。
 絹染色布のL*a*b*値から、媒染剤によって色相が大きく変わることが明らかになった。
 絹染色布の洗濯堅ろう度は酢酸アルミニウムとミョウバンを使った先媒染法と重ね媒染法では4~5級と良好であったが、後媒染法では2~3級と基準等級以下であった。