一般社団法人日本家政学会第74回大会

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2022年5月27日〜5月29日オンライン開催
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[3F-08]みかん外皮染色布の測色値評価

〇小松 恵美子1(1.北海道教育大)

キーワード:

みかん外皮、染色、教材、家庭科、測色値

【目的】 みかん外皮による布の染色を家庭科教材に活用することを目的として染色法を検討している。前報では,文献を参考に実践可能な染色条件を検討し,最適条件を決定した。今回は染色布を色差計で測色して評価し,比較・分析した。
【方法】 染色の標準操作は,2cm角に切った乾燥みかん外皮を水に浸け常温で48時間静置した抽出液に,布を入れて弱火で15分加熱して行った。媒染(鉄,アルミニウム,カリウム)は50℃で20分間行い,風乾後,染色布を日本電色工業製色差計NF333で分析した。布はJIS染色堅ろう度試験用添付白布(多繊交織布)を使用した。
【結果】 目視評価ではナイロン,毛,絹の着色が確認された。未媒染・カリウム媒染・アルミニウム媒染はベージュ系であった。鉄媒染は緑色系となったが,ナイロンは薄く,絹と毛は濃く着色した。測色値の結果を白布と比較すると,ナイロンは黄味を示すb*値が大きく増加していた。絹もb*値の増加が大きかったが,鉄媒染のみa*値もプラス(赤味)であったことから,これが緑色系の呈色に対応していると考えられた。毛はすべての染色布でb*値増加とa*値プラス移動が確認されたが,鉄媒染のb*値が最も低いことが緑色系の呈色を示していると考えられた。ナイロンはポリアミド繊維,絹と毛はタンパク質繊維であるため,みかん外皮抽出液中の色素と繊維の結合にはアミド基とアミノ基が関与していると考えられた。