一般社団法人日本家政学会第74回大会

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2022年5月27日〜5月29日オンライン開催
一般社団法人日本家政学会大会
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2022年5月27日〜5月29日オンライン開催

[3F-09]洗濯の機械力に適合するミニスケールのモデル洗浄試験の開発

〇大矢 勝1、長谷川(大矢) 美安子2(1.横浜国大、2.千葉労災病院)

キーワード:

洗濯、洗浄試験、機械力

目的 洗浄試験はスケールが大きくなるほど手間がかかり洗浄試験結果のばらつきも大きくなる。スケールの小さな洗浄試験では効率よく洗浄剤組成等の研究を行えるが、洗濯機による布洗浄のように機械力が大きく左右する洗浄系では機械力の再現が難しいのでモデル化が困難であった。本研究では洗濯と同レベルの機械力が与えられるミニスケール洗浄試験方法とその条件を探索した。
方法 13名の被験者が湿式人工汚染布10枚を貼り付けたTシャツを他の衣類に混ぜて自宅の洗濯機で洗い、その結果(冬期と夏期の2回)から一般的な洗濯機の洗浄力を求めた。同時にターゴトメータを用いて温度や攪拌速度を変えて同一汚染布の洗浄試験を行い、洗濯機とターゴトメータの洗浄結果を比較した。続いて、ミニスケール試験として50mL遠沈管をチューブローテーター、万能シェーカー、および高速振とう機で攪拌する方法、およびスターラーにビーカーをセットする方式で洗浄試験を行った。
結果 一般家庭の洗濯機の機械力がターゴトメータでの90rpm攪拌(浴比調整布なし)に相当することを確認した。ミニスケール試験では、安定性や洗浄力の観点からチューブローテーターとステンレス球を用いる方法が洗濯機の機械力を再現するのに最適であると結論付けた。更に、酸化鉄粒子汚染布、油性色素汚染布を用いた場合の洗浄試験でも同様の結果が得られると共に、速度論的にも妥当であることを確認した。