一般社団法人日本家政学会第74回大会

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2022年5月27日〜5月29日オンライン開催
一般社団法人日本家政学会大会
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2022年5月27日〜5月29日オンライン開催

[3G-02]片付け場面における子どもの行動変容過程に関する研究

〇伊藤 優1、石戸 朋子1(1.島根大学)

キーワード:

幼稚園、片付け場面、4歳児

目的 幼稚園の片付け場面は、子どもや保育者にとって葛藤が生じやすい場面である。本研究は、集団保育における幼児の自由遊びから次の活動に移行する際の片付け場面に着目し、片付け場面における子どもの行動変容を時系列で分析し、その変容要因を明らかすることを目的とする。
方法 対象幼稚園Fにおいて予備観察や保育者へのインタビュー結果をもとに、片付けへの移行が難しい4歳児A児、B児、C児の3名を観察対象とし、2021年4月から12月まで参与観察を行った。また、観察後に担任保育者へ適宜インタビューを行った。その際、観察者が観察できなかった際の対象児やクラスの様子も聞き、記録を分析するための手掛かりとした。
結果 各対象児の事例を時系列に分析した結果、片付け場面における行動変容の要因について次の3点が明らかになった。第一に保育者の支援であり、入園当初は子どもに片付け場所や時間を指示していたが、だんだんと子ども自身が片付けれるような直接的・間接的支援、園生活に安心感や仲間意識を生じさせるような支援を行っていた。第二に友達との関係性であり、一緒に遊んで仲間意識が芽生えた友達が片付けを行っていたり、声をかけてきた場合には、片付け行動が促進されていた。第三に遊びの環境であり、同じ場所で継続して遊んで愛着を持った場所は自分できれいにしたいという意識が片付け行動につながっていたことが示された。