(2日目)特別講演会「流域治水における田んぼダムの可能性」
日 時:令和7年(2025 年)9月18日(木) 14時15分~15時15分
場 所:ミルハス中ホール
講師:吉川 夏樹 (新潟大学農学部)
タイトル:流域治水における田んぼダムの可能性
概要:
国は防災・減災の新たな方針として「流域治水」の推進を打ち出し,2021年には流域治水関連法が整備された.これは,従来の河川中心のハード対策(ダム・堤防)に加えて,流域に存在するあらゆる関係者が連携し,総力戦で災害リスクを軽減するという考え方である.こうした中,農村空間においても洪水緩和機能を期待されるようになり,とりわけ面的に大きな広がりをもつ水田を活用した「田んぼダム」が注目を集めている.取組みは全国に広がり,2024年現在,99,416 haの水田で導入されている(農林水産省調べ).本講演では,田んぼダムの効果の定量評価,流出抑制器具の設計,取組普及を促進する制度,普及に必要な効果の簡易評価手法や今後の展開可能性について,これまでの筆者の研究成果と実践例を踏まえて概説する.