大会長挨拶
大会テーマ
医療機器学シンカー深化・進化・真価ー
深化する学び、進化する技術、真価を問う
医療機器学
第102回日本医療機器学会大会
大会長
中島 章夫
杏林大学保健学部臨床工学科
教授
このたび、第102回日本医療機器学会大会並びに併設展示会「メディカルショージャパン&ビジネスエキスポ2027」を、2027年6月24日(木)から26日(土)までの3日間、横浜・パシフィコ横浜にて開催いたします。大会長として皆様をお迎えできますことを大変光栄に存じますとともに、本学会の発展にご尽力されている会員ならびに関係者の皆様に、心より敬意と感謝を申し上げます。
昨年開催された第101回日本医療機器学会大会では、「医療機器学サイコウ―再考・再興・最高―」をテーマに、本学会の原点に立ち返り、医療機器学が果たすべき使命や社会的役割について、多くの示唆に富む議論が交わされました。医療機器学とは何のために存在するのか。医療機器は誰のためにあるのか。そして産・学・医がどのように連携し、未来を築いていくべきか。本大会は、そうした議論を一過性のものとせず、未来へつなげるための”次の一歩”として位置付けています。
そこで第102回大会では、「医療機器学シンカ―深化・進化・真価―」をテーマに掲げました。
1つめの「深化」とは、知識や経験を積み重ね、本質を探究し続けることです。宮本武蔵は「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を錬とす」と述べています。研究、教育、保守管理、臨床応用など、日々の地道な積み重ねが医療機器学の基盤を形成し、次世代の医療を支える力となります。
2つ目の「進化」とは、変化する社会や医療環境に対応し、新たな価値を創造し続けることです。スティーブ・ジョブズは「イノベーションとはリーダーとフォロワーを分けるものだ」と語りました。AI、ロボティクス、DXなど、新たな技術が医療を大きく変えようとしている今だからこそ、既成概念にとらわれない挑戦が、新しい医療機器学を切り拓く原動力になると考えています。
そして3つ目、最後の「真価」とは、研究成果や技術が実際の医療現場で活かされ、患者さんや医療従事者、さらには社会全体に貢献して初めて示される価値です。福澤諭吉は「学問は実際に役立てるためにある」と説いています。優れた研究成果や革新的な技術も、社会実装され、医療の質向上へ結び付いてこそ、その真価が発揮されます。
医療機器の開発は、臨床ニーズから始まり、研究開発、評価、薬事、製造、保守管理、教育を経て、医療現場へ届けられます。この一連の流れには、医師、看護師、臨床工学技士、滅菌技師/士、MDIC、研究者、企業、行政など、多様な専門家が関わっています。本大会では、それぞれの知見を持ち寄り、「研究から社会実装まで」を俯瞰しながら議論することで、医療機器学のさらなる「シンカ」を実現したいと考えています。
本大会では、医療材料や医療機器をはじめ、プログラム医療機器(SaMD)・生成AI、医療画像、人工呼吸器、血液浄化装置、人工臓器などの基礎研究・技術開発から、医工連携による製品開発・改良、臨床工学、手術室・ICUにおける機器運用、医療機器安全管理(FMS)、保守管理(QMS)、電磁環境管理などの医療機器マネジメント、さらには医療DX、XR、医療ロボティクス、遠隔医療、サイバーセキュリティなどの次世代医療基盤技術、洗浄・消毒・滅菌、感染防止、トレーサビリティ、病院設備、医療物流・BCP、医学教育、人材育成、医療経営、薬事・法制度まで、医療機器に関わるあらゆる分野から幅広く演題を募集いたします。基礎研究から社会実装まで、医療機器のライフサイクル全体を俯瞰できる研究成果や実践報告を広く募集いたします。完成された研究のみならず、臨床現場の課題解決や業務改善、教育実践、新たな技術の萌芽となる報告も歓迎いたします。
第101回大会が「原点を見つめ直す大会」であったとすれば、第102回大会は、その理念を未来へつなぎ、社会へ実装する大会です。皆様一人ひとりの研究、技術、そして現場での実践が、医療機器学の「深化」を支え、「進化」を生み出し、その「真価」を社会へ届ける原動力になることを期待しております。ぜひ多くの皆様に演題をご応募いただき、ともに医療機器学の未来を語り、創り上げてまいりましょう。
横浜の地で皆様とお会いできますことを、心より楽しみにしております。
