セッション詳細
メインシンポジウム2 フリーランスとして働く人への産業保健 ー「労働者」の定義を超えた新たなアプローチー
2026年5月29日(金) 10:10 〜 12:10
第1会場
座長: 森口 次郎(合同会社森口産業医事務所), 鈴木 純子(独立行政法人労働者健康安全機構 大阪産業保健総合支援センター)
メインシンポジウム2は、「フリーランスとして働く人への産業保健―『労働者』の定義を超えた新たなアプローチ―」をテーマに、雇用契約に基づく労働者を主たる対象として発展してきた産業保健の制度と実践を再検討し、個人事業者やギグワーカーといった多様な働き方に対して、どのように健康支援を構想し得るのかを議論する。2025年に日本産業衛生学会は、「産業保健専門職の倫理綱領」を久々に改定し、働く人を「労働契約を締結する労働者にとどまらない」と定義したところであり、本シンポジウムへの多くの学会員、特に大企業の産業保健専門職の皆様の参加を期待している。
労働安全衛生法、ストレスチェック制度、産業医制度はいずれも「労働者」を前提に設計されており、フリーランスは産業保健施策の対象外となることが多い。その結果、長時間労働、収入の不安定性、発注者との交渉力格差、社会的孤立といった就業構造に起因する健康リスクが高まるが、産業保健専門職等によって早期に把握されにくい状況がある。一方で、労災保険特別加入制度やフリーランス新法の施行など、非雇用型就業者をめぐる制度環境は変化しつつあり、産業保健が関与し得る余地が拡大しつつある。
本シンポジウムでは、まず江口尚先生からフリーランス向けのセルフケア型支援の開発をはじめとする研究やフリーランスの現状などについて解説していただく。次に森崎めぐみ氏に芸能従事者の産業保健の向上のための日本芸能従事者協会の取り組みを講演していただく。長坂友樹氏にはプラットフォーム労働の安全確保の取り組みや過重労働の課題、団体交渉権の重要性などについて講演していただく。最後に、ILOの産業安全保健専門家として長年活躍されてきた川上剛先生にインド・南アジアのインフォーマル経済の関係者を対象とした参加型アプローチの経験から、制度外にある働く人々にも産業保健を届け得ることを紹介していただく。
産業保健は、法的な労働者性の有無にかかわらず、「すべての働く人の健康を守る」という観点から、その対象と方法を柔軟に拡張し得る。本シンポジウムが、フリーランスの健康を個人の問題に矮小化することなく、社会的・制度的課題として捉え直すための契機とし、多くの産業保健専門職の当事者意識の高まりや具体的な行動につながることを期待したい。
労働安全衛生法、ストレスチェック制度、産業医制度はいずれも「労働者」を前提に設計されており、フリーランスは産業保健施策の対象外となることが多い。その結果、長時間労働、収入の不安定性、発注者との交渉力格差、社会的孤立といった就業構造に起因する健康リスクが高まるが、産業保健専門職等によって早期に把握されにくい状況がある。一方で、労災保険特別加入制度やフリーランス新法の施行など、非雇用型就業者をめぐる制度環境は変化しつつあり、産業保健が関与し得る余地が拡大しつつある。
本シンポジウムでは、まず江口尚先生からフリーランス向けのセルフケア型支援の開発をはじめとする研究やフリーランスの現状などについて解説していただく。次に森崎めぐみ氏に芸能従事者の産業保健の向上のための日本芸能従事者協会の取り組みを講演していただく。長坂友樹氏にはプラットフォーム労働の安全確保の取り組みや過重労働の課題、団体交渉権の重要性などについて講演していただく。最後に、ILOの産業安全保健専門家として長年活躍されてきた川上剛先生にインド・南アジアのインフォーマル経済の関係者を対象とした参加型アプローチの経験から、制度外にある働く人々にも産業保健を届け得ることを紹介していただく。
産業保健は、法的な労働者性の有無にかかわらず、「すべての働く人の健康を守る」という観点から、その対象と方法を柔軟に拡張し得る。本シンポジウムが、フリーランスの健康を個人の問題に矮小化することなく、社会的・制度的課題として捉え直すための契機とし、多くの産業保健専門職の当事者意識の高まりや具体的な行動につながることを期待したい。
